北朝鮮政府は最近人民班住民会議を通じて “今や我々は核強国となった。 6者会談参加国をはじめとする全世界の国々が我々の核武装を恐れている”とし“アメリカの金融制裁が解除されれば直ちに6者会談に復帰する”との内容を住民たちに伝達したと北朝鮮内部消息筋が伝えた。
北朝鮮の人民班住民会議は、町内ごとに30世帯位で構成され、地域人民委員会の指示を住民たちに伝達する集まりだ。旧共産圏の中でも北朝鮮にだけある住民教育及び監視監督システムだ。
咸境道内部消息筋は 19日、デイリーNK記者との電話通話で "去る 15日午後 7時から会寧市内全域で各人民班会議が召集され、6者会談と‘非社会主義清算’に対する住民教育があった"と知らせて来た。
会寧市 A人民班会議では、まず北朝鮮核実験の正当性と核実験以後の国際情勢に対する教育が行われた。
人民班会議に参加した会寧市党委員会常務(党指導員)は “核実験は米帝の対朝鮮圧殺政策を打ち破り、ウリ(我々)式社会主義の健在を全世界に誇示した快挙であり、6者会談参加国を含めた全世界の国々が我々の核武装を恐れている”と主張した。
また “我々はアメリカが対朝鮮金融制裁を解決すればいつでも6者会談に復帰する用意があるが、アメリカが我々の要求を黙殺し続けるならば決して座したままではいない”と主張し、住民たちにアメリカに対する警戒心を高めるよう求めたと言う。
次に人民班長が “もう米帝も我々の主権を見下すことができなくなったので、国家では来年から人民経済水準を高める事に力を傾ける”と言いながら “しかしまだアメリカが私たちの主権を虎視眈々と狙っているのでウリ式社会主義を守る問題に力をつくさなければならない”と住民たちに激を飛ばした。
*こうした情勢観は、朝鮮総連にも伝達された
11月16日開かれた総聯中央委員会第20期第3回会議では、現在、朝鮮には強盛大国の黎明(夜明け)が訪れているという金正日総書記の指摘を引用し、「朝鮮人民は強盛大国建設に向かって世紀的変革の新たな突破口を切り開いている」、「わが国は、苦難が去り幸福が訪れる運命的な新たな歴史的段階に差しかかった」と強調した。そして去年2月の核保有宣言に続いて、今年7月5日の自衛的国防力強化のためのミサイル発射訓練、10月3日の核実験予告と9日の実施成功、10月末の6者会談再開合意に至る過程は、米国の朝鮮孤立圧殺と制裁包囲網拡大策略が挫折していることを物語っていると位置づけた。
一方これに先立つ9月 29日と10月 4日、人民班長は‘将軍様の方針’である不法越境、密輸、ラジオの搬入及び聴取、不法録画物の視聴及び流布行為などの‘非社会主義行為を根絶せよ’との布告文を朗読した。
この布告文には、中国への不法越境、密輸、外国放送聴取のためのラジオの所有と売買、外国映画と音楽が収録された CDの所有と売買行為等をすべて非社会主義行為と見なし、非社会主義行為を犯した者たちはすべて北朝鮮刑法によって厳重に処罰するという文言が記載されている。
また人民班長と市党幹部は、非社会主義行為を見たり聞いたりしたらすぐさま保安機関に届けることを強調し、人民班会議参加者全員に自筆の‘誓約書’を書かせた。
‘担保書’の題名で始まるこの誓約書は、一連の非社会主義行為をしないということと、他人の非社会主義行為を知ればすぐに保安機関に届けることを義務付けており、作成者の署名と主体年号がかかれている。
最後に消息筋は今後会寧では、市党指導員一人当たり最低10人以上の人民班長を直接統制して、住民たちが中国と連携を持つとか、外国映画、音楽、放送に接する事などがないよう徹底的に統制する計画だと伝えた。 |