韓国政府は8月11日、申彦詳(シン・オンサン)統一部次官のブリーフィングを通じ、「北朝鮮地域における水害の深刻性を考慮し、人道的次元で北朝鮮水害緊急援助事業に参加することを決めた」と公式に発表した。 援助は民間団体の支援と、大韓赤十字社を通じた南北協力基金よる援助方式の2種類となっている。
北朝鮮側もこの日金剛山で、韓国側の6・15共同委員会に対して水害復旧援助を受け入れるとの立場を明らかにした。
援助額は、民間団体計画の98億6000万ウォン(約12億円)、政府の100億ウォン(約12億円)で計200億ウォンとなる。だが民間団体が実際に100億ウォンの募金を集められるかどうかは不透明だ。
政府はこれとは別に18日までに大韓赤十字社を通して、コメや復旧機材などを北朝鮮側に支援する方針を決めた。 韓国赤十字は政府側にコメ10万トン程度の援助を要請している。10万トンは国際コメ市場価格に換算すると400億〜500億ウォン、韓国のコメ市場価格にして1800億ウォン(約117億円)相当にのぼる。 政府関係者は「700億ウォン(約85億円)程度で落ち着くだろう」としている。
韓国政府は1995年に北朝鮮が深刻な自然災害に見舞われた際、コメ15万トンを援助したのを始め、2004年の龍川駅爆発事故の際にはコメ5000トン、小麦粉5000トン、毛布、掘削機、トラックなど(政府と民間団体で合わせて704億ウォン相当)を援助している。
しかし、今回韓国政府が決定した援助規模は、韓国政府が北朝鮮の被害規模を正確に把握しないまま支援規模を確定しているため、水害を機に北朝鮮へのコメ支援の中断措置を事実上解除する「軽はずみな支援」との批判が持ち上がろうとしている。
ちなみに被害規模については、世界食糧計画(WFP)は「被災者6万人、食糧損失10万トン」と推定しており、国連食料農業機関(FAO)は食糧損失を3万2000トンと推算している。
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