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2007.3.26

大統領選挙に向け再び動き始めた金大中前大統領

 北朝鮮は去る3月7日、盧武鉉大統領の信任厚い青瓦台(大統領府)政務特別補佐官の 李海チャン(イ・ヘチャン)前首相一行を迎え入れ、金永南最高人民会議常任委員長が面談し、6カ国協議の進展いかんでは南側が求める「南北首脳会談」もありうるとのジェスチャーを示した。7月のミサイル連射、10月の核実験で停滞した南北関係が嘘のような「蜜月」ぶりである。
 4日間の北朝鮮訪問を終え、中国に到着した李海チャン元首相も10日、「南北首脳会談は(単独で推進できるものでなく)6者協議と平行して進めるものだ。60日以内の初期段階の履行計画が終わる4月中旬以降、(南北首脳会談)議論が可能になるだろう」と述べた。また同日、駐中韓国大使館で北京駐在特派員たちと懇談会を開き、「南北首脳会談は、米朝国交正常化のための作業部会など5つの作業部会の進行過程、特に初期段階の履行措置の実施状況を見守りながら判断する事案だという見解を北朝鮮側に伝えた」と述べ「北朝鮮も我々のこのような話に何ら異議を示さなかった」と付け加えた。
 この李海チャン訪朝に先立ち南北は、2月27日から4日間、7カ月ぶりに南北閣僚級会談を開催し、北朝鮮に対する食料40万トン肥料30万トンの提供を密約するとともに、赤十字会談や経済協力推進委員会(経推委)の日程など6項目に合意した。これにより8月15日までに少なくとも9回は南北政府間の公式接触が行われることになった。こうした動きも「南北首脳会談」への地ならしであり、年末の大統領選挙に向けた環境作りであることは言うまでもない。
 このような情勢の変化を背景に、昨年北朝鮮訪問が立ち消えになった金大中前大統領が再び積極的に動き始めている。
 ソウル・ロッテホテルで3月13日に開かれた国際ジャーナリスト連盟(IFJ)特別総会の講演で金前大統領は「昨年北朝鮮を訪問できなかったが、今年2月13日に中国北京で開かれた6カ国協議が合意に至り、南北政府間でも緊密な対話が進められている状況であることから、北朝鮮が積極的に臨むよう激励するためには、首脳会談が最も良いだろう」とし、「現在重要なのは6カ国協議の成功と南北(韓国・北朝鮮)首脳会談の実現だが、南北が私の訪朝を願うならば北朝鮮を再び訪れたい」と述べた。
 金大中前大統領は、訪朝への動きと平行して新党準備の動きも活発化させている。裏金4億5000万ドルを北に送った朴智元を再び秘書室長に据え、ソウルの麻浦と汝矣島の元曉路に事務室を準備し、23〜30人のウリ党脱党派国会議員たちを呼び込んでいる。また次男の金弘業氏を4月25日の国会議員補欠選挙に立候補させようとしている。
 第5回第3段階6ヵ国協議の「2・13合意」は、韓国政局にも大きな影響を与えはじめた。

 
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