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2006.4.28

NHK「ドキュメント北朝鮮」の波紋

NHK「ドキュメント北朝鮮」が在日社会特には朝鮮総連系の20・30・40代に大きな波紋を広げている。
特に朝鮮総連系民族学校で一貫した教育を受けた人たちに衝撃を与えた。それは一言で言って「嘘の歴史を教えられた」ということだ。特に第一部の「個人崇拝への道」に出てくる「解放直後の状況」、「金日成登場の経緯」などについて、朝鮮総連は1967年以降全く教えず、すべて歴史を偽造し、旧ソ連によって解放された北朝鮮を金日成が解放して来たかのごとく教えた。また金日成が旧ソ連によって祭り上げられた指導者だったということも教えてこなかった。
そればかりか、第2部での陰謀的に進められた金正日後継作業とそれに伴う粛清、第3部での詐欺的手法による核開発の過程など朝鮮総連の主張とは真っ向から対立するものばかりだった。
*60代前後の朝鮮総連系同胞は、こうした北朝鮮の歴史改ざんを知っている世代である(朝鮮総連結成時は旧ソ連軍隊によって北朝鮮が解放されたと教えられていた)が、20・30・40代は1967年の金日成絶対化教育を受けたためほとんど知らない世代だ。
こうしたことが活字ではなく映像によって、しかも生き証人や外交文書によって裏付けられたことからその衝撃度が大きかったようだ。
放映直後から朝鮮大学校には「なぜ嘘を教えたのだ」という卒業生からの抗議電話が殺到したという。在学生などは抗議行動が取れないので、仲間同士で話題にして朝鮮学校での歴史教育のデタラメさを非難しているという。
朝鮮総連には本国から「どうしてあのような放送を阻止できなかったのだ」との叱責があったので、各地方本部に抗議の葉書やFAXを送るよう指示したが、NHKにはきていないという。
ちなみにこの番組の視聴率は通常の2倍を記録し、再放送を加えると実に通常の3倍近い視聴率を記録したとされる。
しかし「朝鮮問題専門家(?)」の辺真一氏は「辺真一のコリアレポート」中でこの番組を酷評すると共に『北朝鮮関係者の証言も脱北者らの裏の取れない発言が中心で、韓国人証言者、カン・インドク氏については開放(注―解放の間違い)直後の金日成凱旋平壌集会に「参加した一人」として肩書きを外して紹介していました。カン氏はコリアウォッチャーならば誰もが知っている元韓国中央情報部(KCIA)局長(北朝鮮担当)です。』などと証言者が信用の置けない人物であるかのように表現し、特にカン・インドク元統一部長官には実名を挙げてその経歴から「信用できない」という偏見を暗示している。
ちなみに辺真一氏は、今ではいかにも公平な「朝鮮問題専門家(?)」を装っているが、朝鮮総連のプロパガンダ新聞「朝鮮新報」で、金日成崇拝とその捏造の歴史を10年間にわたって報道してきた人物だ。しかし彼はその経歴紹介で「朝鮮新報記者」とは記述しないで単なる「新聞記者」として表記し、過去も正常なジャーナリストであったかなように紹介している。また朝鮮総連からの「転向」の動機も定かでない。

参考資料

@辺真一のコリアレポート。4月7日(金)

4月2−4日まで3夜連続して放送されたNHKスペシャル「ドキュメント北朝鮮」が5日、6日と再放送されました。昨日(6日)は二部、三部と一挙に2本続けて放映していました。1日1本だったら、第三部の「核をめぐる戦りつ」は今夜放送ということで金桂寛次官ら北朝鮮外務省代表団にも見てもらえたのに残念なことをしました。第一部の「個人崇拝への道」では、金日成政権発足の正統性に疑問を投げかけ、第二部の「金正日総書記の隠された世襲」では、「拉致、テロは金正日の仕業」とほぼ断定する内容となっていることから、逆にNHKとしてはひょっとしたら金桂寛一行に見られないで良かったと胸をなでおろしているかもしれません。それほど、これまでのNHKとしては考えられないほど大胆かつ(北朝鮮には)挑戦的な内容となっていました。但し、内容そのものは、新味はなく、極めて完成度の低いものでした。また、この時期に3本も連続して取り上げた動機が不明です。第一部と第二部については東ドイツの崩壊やルーマニアのチャウシェスク政権の転覆やソ連邦の瓦解後に取り上げればタイムリーなのに15年近く経ったことから登場人物の証言も、資料も古すぎます。期待した最新情報は皆無でした。旧東欧諸国の秘密文書も出所不明なものがあったり、隠す必要のない秘密資料に登場する人物の名前も実名でなく、「最高幹部」と匿名となったり、いい加減な箇所が随所に見られました。北朝鮮関係者の証言も脱北者らの裏の取れない発言が中心で、韓国人証言者、カン・インドク氏については開放直後の金日成凱旋平壌集会に「参加した一人」として肩書きを外して紹介していました。カン氏はコリアウォッチャーならば誰もが知っている元韓国中央情報部(KCIA)局長(北朝鮮担当)です。ナレーションも「核兵器製造」と言わず、「核開発」と言ったり、「核兵器を有している」と言いながらも「核兵器開発を継続している」と言ったり終始一貫性に欠けていました。NHKは2年余前から北朝鮮での有事を想定して「北朝鮮プロジェクト」を作っていましたが、手間隙と金を掛けた割には、レベルの低い番組でした。金桂寛一行にむしろ見られないで良かったかもしれません。

ANHK「北朝鮮ドキュユメント」に対する朝鮮新報の論調。4月17日

メディア・コントロール−平和主義から好戦国へ

 かつて、NHK特集といえば、さすが見応えのある重厚なものもあった。しかし、先ごろ3夜連続で放映された朝鮮特集は、あまりにも、冷戦志向が強く、腐敗の匂いがプンプンする。
第1にまず、最初から「反朝鮮」作りの姿勢があからさまである。黄長Yなどの裏切者、背信者、脱北者などの一方的な言い分ばかり。「反朝鮮」でありさえすれば、何をしようとかまわないのか。
第2にこの番組は、いったい何を言いたかったのか。「独裁政権」「拉致」「核問題」などと朝鮮を一方的に非難して、北への敵視をあおり、日朝正常化交渉や米朝対話を阻止しようとする情報工作であろうか。
現代政治におけるメディアの役割に目を向ければ、その答えは明確。米国の強圧的な外交政策や戦争態勢に歩調を合わせ、日本当局は国策に沿う情報操作を強めている。
ノーム・チョムスキーはその著書「メディア・コントロール」(集英社新書)で、第1次世界大戦後の1916年、米国のウィルソン政権下で行われたメディア工作の例をあげる。当時の米国は平和主義一色。その平和主義の世論をヒステリックな戦争賛成論に転換させるため、政府主導の宣伝委員会が作られ、人々の戦争熱をたきつけていった。戦後、「赤狩り」をあおるにも同じ手法が使われ、組合をつぶし、報道の自由や政治思想の自由という「危険な思想」を排除していったのだと。
NHKの番組も、チョムスキー流に解釈すれば、その制作意図はあまりにも明白だろう。「平和主義の国を好戦的なヒステリー集団に変える」ためか。
事実をろくに知ろうともせず、舞文曲筆が跋扈する社会の風潮。すでに日本メディアは、「大本営発表」を率先して撒き散らす時代に突入した。(粉)

B『コリアレポート』328号(1997年2月上)による「横田めぐみさん拉致事件」に対する日本のメディア報道に対する論評。

 20年前に新潟海岸で消えた少女の存在を「韓国に亡命した北朝鮮工作員が証言した」といっているが、ネタもとの朝日放送の記者もふくめ「マスコミの誰一人、証言者に会った人はおりません」。韓国で記者会見もしていない。正体不明のままで「誰が言ったか分からない伝聞を『証言』と報道することには問題があります」これは「未確認情報」と呼ぶべきではないかと批判。

C「辺真一のコリア・レポート」による「コリア・レポート」の自己紹介
「コリア・レポート」は、今、朝鮮半島で何が起き、今後どう推移するかを的確に伝える会員制情報誌です。客観、中立をモットーとした本誌は官公庁、外国公館、政治家、学者、企業家、ジャーナリスト等を読者対象としておりますが、特に、マスコミでは高い評価を受けております。これまで本誌の情報、分析は米紙「ワシントンポスト」やフランス通信「AFP」など外国メディアにもしばしば引用されてきました。
本誌は、今後も日本のメディアには掲載されない朝鮮半島の政治、経済、文化情報をフォローし、掲載する所存です。
*「客観中立をモットー」と主張しているが果たしてそうだろうか。今後も注視する必要がある。

D「辺真一のコリアレポート」による辺真一略歴

略歴 1947年 東京生まれ
明治学院大学(英文科)卒業後、新聞記者(10年)を経て、 フリージャーナリストへ
1980年 北朝鮮取材訪問
1982年 朝鮮半島問題専門誌「コリア・レポート」創刊。現編集長
1985年 「神戸ユニバシアード」で南北共同応援団結成。統一応援旗を製作
1986年 テレビ、ラジオで評論活動を開始
1991年 南北国連同時加盟記念祝賀宴を東京で開催。北朝鮮への名古屋からの民間直行便開設に助力
1992年 韓国取材開始(以後今日まで二十数回に及ぶ)
1998年 ラジオ短波「アジアニュース」パーソナリティー
(現在に至る)
1999年 参議院朝鮮問題調査会の参考人
2003年 海上保安庁政策アドバイザー
2003年 沖縄大学客員教授

 
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