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今週のニュース

黄長Y元書記らが韓国で民主主義理念研究会を創立

YS “金大中は核危機もたらした張本人”
黄委員長民主主義の研究学習運動を提唱
李ドンボク教授「人間中心の民主主義理念は、北朝鮮の“主体思想”とは異なる」

4月 19日、ソウルのプレスセンターで黄長Y朝鮮労働党元書記(現北朝鮮民主化同盟委員長)らが‘民主主義理念研究会’(共同代表カン・テウク)を立ち上げた
創立大会では会の名誉会長である金泳三(YS)元大統領が祝辞を述べた。祝辞の中で金元大統領は“死に体の金正日独裁政権を私たち国民の税金で今日まで延命させたことが金大中氏の犯した歴史の罪悪”と指摘し“5億ドルという莫大な資金を金正日に与えて今日の核危機をもたらした張本人”と語った。
金前大統領は “金大中氏と盧武鉉政権によって、この国は親北朝鮮左翼が跋扈(ばっこ)するの世の中になった”としながら“親北朝鮮左翼勢力がこれ以上この国を弄べないようするために闘わなければならない”と主張した。
彼はまた “最近、平沢米軍基地移転阻止、韓米軍事訓練妨害、マッカーサー将軍の銅像撤去などを行おうとする勢力が露骨に活動している”とし “これは間違いなく北朝鮮の指令によるものであり、私たちはこうした人々の正体を必ず明らかにしなければならない”と強調した。
そして “政府が 国連の北朝鮮人権決議案を4回も棄権したことは、金正日独裁統治下で死んで行く北朝鮮同胞を見捨てた事”としながら “金正日の機嫌だけを伺うこんな卑劣なやり方は今すぐ中止されなければならない”と声を高めた。
金前大統領は続けて“金正日政権は、銃剣で住民を抑圧し、狂信的な洗脳で体制を維持しようとする暴力集団”と規定し“金正日政権は決して長続き出来ないだろう”と語り、このような「ヤクザ集団」に改革と開放を期待することは不可能だ”と指摘した。
一方黄長Y委員長は創立大会特別講演で “今韓国には反民主主義思想に汚染され親北朝鮮と反米をまるで進歩的、民主主義的であるかのように勘違いしている人々がいる”としながら “民主主義の大事さを本気に固守しようとする知識人と政治家たちは、韓国国民に民主主義発展の正しい道を明らかにするため、もう一度民主主義を研究、学習する運動の先頭に立たなければならない”と強調した。
黄委員長はまた“今日北朝鮮は飢餓と貧困、人権蹂躙が支配する生き地獄に転落したが、韓国は民主主義が花開く輝かしい発展を遂げた”と述べ“南と北のこのような天地の差の根本原因は、民主と反民主の間の差であり、このことは明確に天下に示された”と語った。
カン・テウク共同代表の挨拶があった後、リ・ドンボク「北朝鮮民主化フォーラム」常任代表が祝辞を述べ「黄先生の人間中心民主主義理念に対して“もう一つの主体思想ではないのか”という誤った理解があるがそのような理解は間違いだとして、その根拠を明確にした。
研究会は今後討論会、シンポジウム、教育活動を通じて正しい自由民主主義理念を広め代案も提示する計画だ。また黄委員長を講師とした「人間中心哲学教室」では黄委員長の著書 『人生観』『社会歴史観』『世界観』『人間中心哲学のいくつ問題』などを 20講義に分けて5ヶ月にわたって特別講義を行う予定。

創立大会での李ドンボク教授の激励のあいさつ
―「人間中心の民主主義」の本格研究に期待して―

私は今日まことに恥ずかしい気持ちでこの場に立ちました。
その理由はこの席が黄長Y先生から民主主義を学ばなければならない私たちの自画像を確認する席だからです。
私たちが住んでいる大韓民国は間違いなく自由民主主義国家です。
一方、北のいわゆる ‘朝鮮民主主義人民共和国’は階級独裁を実施し議会制民主注意を否定するマルクス-レーニン主義を母胎とする首領独裁の共産主義国家です。黄長Y先生は北朝鮮から来た方です。ところが皮肉なことに、83年の短くない生涯で、大韓民国へ来た9年間を除く年月を自由民主主義が圧殺された階級独裁国家に住んだ黄長Y先生から民主主義を学ぼうと今日‘民主主義理念研究会’を発足させていることが、私たちの姿なのです。このような皮肉な姿にもかかわらず、私たちは黄長Y先生から ‘人間中心の民主主義’を学ばなければならない充分な理由を見つけ出しています。
その理由は次のようなものです。
第一に黄長Y先生の ‘人間中心の民主主義’は、すでに地球的次元では失敗し廃棄されたものの北朝鮮地ではまだ生き続けている「共産主義教理」であるマルクス-レーニン主義の矛盾と間違いを明らかにしてくれるからです。
二番目に黄先生の‘人間中心の民主主義’は、北朝鮮の現実に創造的に適用させるという美名の下にマルクス-レーニン主義を歪曲し変質させて作り上げ、暴君ネロを彷彿とさせる暴政とその世襲を正当化した似非(エセ)理念体系である北朝鮮主体思想の虚構性と欺まん性を告発する内容も含まれているからでもあります。
60年前の大韓民国は事実上無から出発した国家でした。
そのような大韓民国が、今日世界 11位の経済大国となっています。しかし大韓民国は今病んでいます。その間、世界を驚愕させた成長の陰に隠れていた多くの否定的側面が一気に表面に噴出しています。こうしたなかで大韓民国のアイデンティティと国家理念が深刻な挑戦を受けているのです。
今大韓民国の国家権力は、運動圏出身の‘386’世代を含めた‘親北朝鮮・左傾・反米’勢力の手の内に落ちたとの批判を受けています。彼らは ‘民主化’の流れに便乗して既存の大韓民国を否定して抹消させることに汲々としていています。彼らは半世紀の間、大韓民国の安全を担保にしてくれた現代版 ‘デロス’ 同盟である韓-米同盟を破壊しています。
注―デロス同盟は、アケメネス朝ペルシャの脅威に備えて、紀元前478年に古代アテナイを中心として結成された軍事同盟。アテナイを盟主としてイオニア地方など主にエーゲ海の諸ポリスが参加し、資金や軍船を出し合って結成された。
彼らは ‘民族共助’という美名の下に北朝鮮の金正日独裁権力を相手で ‘親共・連北’をたくらんでいます。
金正日は 2000年の 6.15 ‘南北共同宣言’を通して、すでに “南朝鮮を‘親共・連北’勢力の天下に変えた”と豪語しています。“すでに南朝鮮で反共・保守勢力に比べ親共・連北勢力が優勢を占める主流に登場した”と言うのです。南側では巷の人たちが“まだ赤化統一はされていないが大韓民国はすでに共産化された”と言う恐ろしい言葉が大っぴらに語られていることは厳然たる現実です。
黄長Y先生の‘民主主義政治哲学’は、大韓民国のこのような現実に対する警鐘と同時に代案であります。黄先生は 1949年から 53年まで、マルクス-レーニン主義理論の「本山」であるモスクワ国立大学に留学しましたが、その間にマルクス-レーニン主義の限界と矛盾を悟りました。そしてマルクス-レーニン主義を乗り越える哲学体系の創出にまい進したのです。それが ‘人間中心の民主主義政治哲学’です。この哲学体系の中で黄先生はマルクス主義が破綻した理念であることを多角的に論破しています。
この体系の中で黄先生は ‘歴史的唯物論’・‘階級闘争論’・‘資本主義矛盾論’・‘剰余価値学説’・‘マルクス主義弁証法’ などマルクス主義の基本命題が持っている矛盾と虚構性を鋭く暴き、マルクス主義が資本主義との対決で敗北したイデオロギーであることを明らかにしています。
黄先生が提示する‘人間中心の民主主義’ 理念に対して疑惑の視線があることを私たちは知っています。結局はまたもう一つの ‘主体思想’ではないかと言うのです。ある人たちは‘主体思想の原本’と言ったりしています。
しかし私がその間に接して見た黄先生の‘人間中心の民主主義’理念は、そのようなものではありません。黄先生の‘人間中心の民主主義’はむしろ資本主義的民主主義の領分である個人中心の民主主義を基本に‘対立物の統一’として集団中心の民主主義を絶えず組み合わせて行く‘結果ではない’‘過程’としての接近と見ることが出来ます。
個人中心民主主義の価値である‘正義’の原則を土台として、ここに集団中心民主主義の価値である‘愛’の原則を組み合わせることから見られるように黄先生の‘人間中心民主主義’はむしろ資本主義的民主主義にその出発点を置いていることがわかります。このような接近が北朝鮮地から来た黄先生によって試みされているということに私たちが驚かされるのです。
今日‘民主主義理念研究会’が正式に創立されたことで、黄先生の‘人間中心民主主義’ 理念は大韓民国で社会的次元でのみならず学問的次元においても批判的検討の対象となったのです。
今日創立されるこの研究会に加わる皆さんが、活発な研究活動を通じて、黄先生の民主主義理論と理念に対する健康で生産的な研究と検討を行い、この国の理念的混沌を乗り越え、大韓民国国民の間に、共産主義を、マルクス-レーニン主義を、そして北朝鮮の似非 ‘主体思想’を拒否し、自由民主主義信念体系がしっかりと整理され、整頓され、確立されるようにする上で、黄先生の理論と理念が大きく貢献できるようにしてくださることを願いながら私の未熟な挨拶を終わらせていただきます。
ご清聴ありがとうございます。

 
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