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【コラム】北朝鮮のミサイル発射に過敏反応する必要はない

金永煥(キム・ヨンファン)デイリーNK論説委員

2008.3.30

 北朝鮮が3月 28日午前 10時30分頃、西海(黄海)上で短距離艦隊艦ミサイルを三回にわたって数発発射したという。今回の実験は昨年6月27日 にKN-02 短距離地対地ミサイルを発射した後 9ヵ月ぶりだが、(韓国)軍当局では、今年 4月まで行なわれる戦闘準備判定検閲及び冬季訓練中の発射であるから通常訓練だと説明しているが、一部では(韓国)新政権を手なずけるため、あるいは核交渉戦略の一環という見方もある。
  北朝鮮は射距離 46kmの艦隊艦ミサイル(スティクス)と射距離 100~120km ほどの KN-01/02 短距離ミサイルの性能実験を持続的に実施している。2003年 2月から 'KN-01'を、2004年から 'KN-02'を毎年試験発射していることから、通常の訓練という見方が多少有力視されているようだ。西海上の艦艇から陸方向である北東へミサイルを発射し、射程距離も短いという点から毎年行なわれる性能改善訓練と言うのだ。
  北朝鮮のミサイル発射が日常的軍事訓練の一環として展開されたということは確かなようだが、しかしそうした目的だけだとは考えられない。北朝鮮は、使える外交安保的戦術、利用できる資源が非常に制限されているので、一つの仕事で 3つ4つの目的を同時に追い求める場合が多い。
  北朝鮮のミサイル発射は 1)軍事戦術訓練 2)ミサイル性能改良実験 3)ミサイルマーケティング用実験 4)韓国国内政治に対する干渉(4・9総選挙など) 5)新政権の手なずけ6)核交渉を有利に導くための圧迫用など予想可能な目的の中で 2~4個の目的を同時に追い求めていると思われる。例年には主に 5~6月にミサイル発射訓練を行なっていたが、今回は 3月に行なったという点も何か他の目的があるということを物語っている。そして開城南北経協事務所に常在している南側政府要員を事実上放逐したまさにその翌日、総選選挙運動が始まったまさにその翌日にミサイル発射実験を行なったということも多様な意図を感じる。
  ミサイル発射実験が国際的関心を引きつけたので、北朝鮮はミサイル発射実験を他の目的に活用しようとする試みを一貫して続けて来た。北朝鮮は忘れ去られるようになると‘私はここにいる’と大声を出して何かをしでかす。そして食卓に多様な核関連懸案とさまざまなミサイルなど次々と新しいメニューを出して値段を吊り上げようとする。これに反応して韓国でいろいろな意見が出れば論争が激化するのを観ながら楽しむ。すでに北朝鮮のミサイル実験に対して強硬対処を求める主張と、新政権が北朝鮮をもう少し包容すべきだとする主張があちこちから出ている。
  こうした動きは北朝鮮の目的が対立を煽ることにあるのであるから、北朝鮮の戦略に巻き込まれることになるだけだ。北朝鮮のこのような行動に対して最も良い対応策は徹底的な無視戦略だ。慌てて対応することは北朝鮮の戦略に引っかかるだけなので、こうしたミサイル実験などは無視して、既定の対北朝鮮政策と対北朝鮮路線をしっかりと堅持し冷静に対処するのが最良の策である。

金永煥(キム・ヨンファン)
ソウル大法大公法学科卒業 現 時代精神編集委員、デイリーNK 論説委員
「鋼鉄書信」として知られた文書と書籍を通じて、主体思想と民族解放(NL)路線を、韓国学生運動の主流に成長させた人物。彼は1991年5月に潜水艇に乗って北朝鮮に密入国し金日成に会った後、北朝鮮こそ民主化しなければならないと決意し、北朝鮮の民主化活動家に転身した。

 

 
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