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今週のニュース

韓日北朝鮮専門家緊急座談(1)

コリア国際研究所 南北関係研究室

2008.7.28

新東亜 5月号 P212〜227

 李明博政権出奔後早くも6カ月になろうとしている。しかし対北朝鮮政策に対する軸足はまだ定まっていない。金剛山で自国民が射殺されてもこれといった手も打てず、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)でも北朝鮮の外交攻勢に押されっぱなしだった。
 李明博政権の対北朝鮮関与政策をどのように展開すべきか。こうした問題をテーマにして去る4月10日に行なった対談を2回にわたって掲載する。

● 参席者 : 朴斗鎮コリア国際研究所所長 孫光柱デイリーNK 編集長
● 司会 : ソン・ムンホン東亜日報出版局専門記者
● 日時 : 2008年 4月10日
● 場所 : 東亜日報出版局会議室

司会 李明博政府が出帆してから2ヶ月になります。北朝鮮は李明博政府が出帆した後対南誹謗と圧迫を強めています。過去 10年間いわゆる「進歩政権」と相対して来た北朝鮮にとって李明博政府は新しい経験です。一方 10年ぶりに政権を取った南側の保守政権としても北朝鮮をどのように扱うかについて現場で一種の混乱を感じているようです。まず現状の診断と評価に対する討論からはじめたいと思います。

孫光柱 北朝鮮問題に対する分析と展望を行う時に間違いが起こるいくつかの理由があるのですが、私はそれを医師の医療行為に比喩してみようと思います。医者は診療行為をする時、まず診断を行ないその次に治療します。すなわち診断が正確だと正しい治療方法が探し出され、その後に正しい管理方法が出てきます。それと同じように北朝鮮問題も初診断が重要です。過去の太陽政策についても同じです。太陽政策は北朝鮮という患者を診断しながら ‘北朝鮮は改革開放に進まないはずがない。私たちと周辺国が手伝えば改革開放に進む’と言うふうに診断しました。もちろん市場経済主義の観点ではそのように見ることもできます。しかし金正日体制は封建主義に軍事優先主義首領体制が基本特徴です。市場経済主義の観点ではその本質が見えなくなっています。結局北朝鮮は太陽政策を逆利用しながら核実験国となってしまいました。医療に比喩して言うならば、金正日体制は‘癌’なのに太陽政策は‘水疱’位に診断したのです。明白な誤診でした。だから対北政策は失敗するしかなかったのです。
 そういった意味からも李明博政府がスタートした後北朝鮮がなぜあのように出ているのか、この部分に対する診断が必要です。開城工団経済協力事務所南側職員追放で始まった一連の北朝鮮による挑発を直訳して見ると、金正日は一言で言って、去る 10年間の太陽政策のように今後も引き続き、韓国はああだこうだと言わないで対応してくれれば良いということです。韓国が言うことをよく聞きしっかりと経済支援してくれれば一番よいのだが、李明博政府ではこれがうまくいかないようなので、最初にしつけをしておこうということなのです。
 現時点では北朝鮮の対南関係は対米関係、対中関係の従属変数です。金正日の立場からは「去る 10年間の南側からの対北支援は韓(朝鮮)半島平和維持のための一種の‘平和税’なのに、(李明博政府) お前が生意気に対北政策を新しく作るというのか?そんなことが出来ると思っているのか。やれるならやってみろ」と言うことなのです。こうして李明博政府を手なずけながら対中、対米関係に重点を置こうと思っているのです。いわゆる「通米封南」政策なのですが、自分たちが米国と対話を継続していけば韓国はいつかは内部事情のため、言い換えれば韓国世論が分裂して耐えられなくなるため、自ら北朝鮮にノックして来るだろうというのが金正日の考えだと思います。だから北朝鮮は引き続き韓国を牽制しながら米国と話し合うのが戦術的に有利だと考えているはずです。

‘金正日 誤算’ 繰返す

朴斗鎮 私も北朝鮮の政策はいつも対米、対日、対南関係で主導権を取りながら自分の弱点を補う、そんな戦略的姿勢だと思います。そのようにして去る 10年間は北朝鮮が主導権を取ったではないですか。

孫光柱 そうですね。特に対南関係で完全に主導権を取りました。

朴斗鎮 主導権を取ることによって北朝鮮の戦略が成立するのです。この流れが李明博政権の出現で遮断されました。日本は勿論韓国でもこの点をあまり重要視していないようですが、流れが変わるということは非常に重要です。サッカーでもそうじゃないでしょうか?攻勢から守勢に追い込まれればどれほど疲れますか。ましてや今回の韓国大統領選挙で李明博大統領がわずかな差で勝ったならまだしも、500万票からの差で政権が変わったのです。変化の風がそれだけ強いということです。金正日もこのような流れを見て、なんとしてでも韓国内部を分裂させようと考えているはずです。
 これは推測ですが、北朝鮮の統一戦線部に粛清があったとされていますが、この背景には対南情勢を甘く分析したという反省があったと思われます。私が朝鮮総連に携わったからよく分かるのですが、あの組職はとにかく上司(金正日)が好むように報告を上げるのです。だから韓国大統領選挙過程でも‘将軍様、大丈夫です。李明博政権に代っても私たちがコントロールできます’と言うふうに報告したはずです。ところが後でよく観察してみるとこれは太陽政策の継承ではないじゃないか!このようになった可能性があります。
 そのようになれば孫先生のお話どおり、去る 10年間苦労して構築した構図が崩れることになるではないですか。その間北朝鮮の戦略が米国と韓国、米国と日本、日本と韓国の間に楔を打ち込み分裂させることが基本だったのですが、北朝鮮は李明博政権登場で変化した状況に対する対応策がありません。私が特に重要だと考えるのは、韓国の民心が完全に変わったということをまだ分かっていないという点です。李明博大統領と側近たちも北朝鮮が脅かせば変わると単純に考えているようですが、今回の国会議員総選結果を見てください。民心はもう太陽政策はやめようというものではないですか。
 2002年に小泉前総理が平壌へ行きました。あの時金正日は、日本人拉致者問題を謝れば朝・日国交正常化が実現し、100億ドルのお金が入って来ると思って謝罪したのです。ところが金正日が分からなかったのは、まさにその謝罪が日本の民心を決定的に変えてしまったという点です。何故分からなかったのか。それは北朝鮮では金正日自身が世論を作るが、民主国家は大衆が世論を作るからです。金正日の計算違いが今度も繰り返されると思います。

‘平和税を出せ’の恐喝

司会 これまでのお話では、過去 10年間の対北政策の過ちを正して政策を新しく立て直す機会ということですが、そうするためには現時点で北朝鮮を正しく診断しなければならなりません。そこにはいろいろな問題があると思います。

孫光柱 各論に入って行く前に一言だけ付け加えます。去る 10年間北朝鮮の対南戦略を補充説明する歴史的事例として、10~11世紀イングランドのいわゆるデーンゲルト(Danegeld)という‘平和税’をあげることができます。デーン(Dane)はデンマーク、Gelt(geld)はお金(gold)という意味ですが、当時デンマーク周辺海域とバルティック海のバイキングたちがイングランド海岸を侵略して食糧と若い女性たちを掠奪しながら生活していました。そうした掠奪が日常化されたのでイングランドはバイキングたちに “戦争をすれば君逹も被害を受けるだろう。だから私たちが税金を君逹に納めるから戦争はやめよう”と申し入れました。それが‘変な平和税’の歴史的事例に引用されるデーンゲルトです。
 2006年 5・31 地方選挙を基点に北朝鮮宣伝当局がどのような論理を持ち出したかというと、‘私たちの先軍政治が韓国を米国の脅威と戦争から守っているから韓国は安全に経済活動を行なってお金を儲けている。だから平和のために私たちを支援することは当然だ’というものです。一言で いって‘デーンゲルト’を出しなさいということなのです。2006年韓国に来た権虎雄(グォン・ホウン―内閣惨事)もそれに似た話をしたし、少し前の 4月2日にも 6・15 共同宣言実践北側委員長であるアン・キョンホがそんな話をしました。アン・キョンホはずっと前からの対南専門家なのですが、“IMF 外為危機の時、韓国で外国資本が一気に逃げていったではないか、韓(朝鮮)半島で平和が壊れれば外国投資を失う。私たちがそのような事が起こらないよう韓国を守ってあげるからお金を出せ”と言うのです。
 最近、北朝鮮の対南、対米関係が複雑なように見えますが、非常に単純化して圧縮すれば北朝鮮が韓国を手なずけて‘韓(朝鮮)半島平和維持の主導権は私たちにあるから、韓国は対北支援を続けて平和維持(?)に寄与せよ’と言うことです。

朴斗鎮 前段での話にあったように太陽政策は前提が間違っていました。過去 10年間韓国政府は太陽政策が北朝鮮を改革開放に導くと言ったではないですか。ところが結果はどうでしたか。何かしら市場経済の芽が出なければならないのに、そのようになりましたか?北朝鮮の改革開放を誘導しているのは南北経済協力ではなく実は中朝国境貿易なのです。北朝鮮の青少年たちが楽しんで見るという韓国ドラマの CDも休戦ラインではなく中・朝国境を通じて北朝鮮に入ったではないですか。

太陽政策、前提が間違った

朴斗鎮 市場経済は、始めは自然発生的だが大きくなろうとすれば法、制度の下で成り立たなければなりません。ところが今北朝鮮では、中朝国境貿易という法、制度がない状況のもとで市場経済の芽が出ているのですが、これは一つ間違えば誤った方向に行くこともありうるのです。
 とにかく太陽政策はそんな芽さえ作らなかったということです。去年盧武鉉前大統領が平壌へ行った時あちらが何と言ったんですか?‘私たちは改革開放をしない。そのような気分の悪いことは言わないでくれ’と言ったではないですか。このように言っただけでなく前段の話にも出たように‘先軍政治で韓国が安全に経済活動をしている’と言う奇怪きわまる論理まで主張しました。

孫光柱 周知のように北朝鮮体制は金正日の指示・「お言葉」どおり動く社会です。そうしたことを踏まえて現在の北朝鮮を診断し、金正日を取りまく対内外環境を同心円を描いて説明するならば、同心円の最も内側、すなわち金正日にとって一番重要なのは何か、私はそれを‘政権維持費用確保’だと思います。これをどのように調逹するのかが問題です。
 第二に、ある程度の食糧確保です。私が‘一定の水準’と表現したのは、金正日は食糧問題も完全な自給自足までは願っていないという意味です。食べ残すほどに食糧が豊かになれば人民たちがほかの考えを起こすというのがその理由です。
 三番目は金正日の立場からは市場拡大現象など非社会主義現象を阻む事が急務です。市場を通じて外部情報、特に中国と韓国の情報が入って来る現象を阻止するために、いわゆる‘非社会主義検閲グルーパ(‘group’のロシア語表記)’を本格投入してすでに 2年が過ぎました。去年 11月からは 49歳以下の女性は市場で商売してはならないと公表しました。
このように市場を統制したり緩めたりしています。もし北朝鮮で食糧、インフラ、エネルギー、対外通貨決済などが緩和されたら金正日は間違いなく統制経済を修復しようと試みるでしょう。
 四番目が対外戦略ですが、その最初が核問題です。金正日の長期的な核戦略は国際社会から核保有国と認められることです。言い換えれば核兵器を保有したままで米国、日本との関係改善を行なうことが目的なのですが、現実にそれが実現するかどうかは別として、これが金正日の欲望です。
 そうしたことから核申告で米・朝が合意するとしても、そこでは作っておいた核兵器数の申告は抜けている可能性が高いでしょう。プルトニウムと係わる内容は公開文書で明らかにして、濃縮ウランプログラム(UEP)とシリアとの核協力問題は非公開文書に盛る事にしましたが、ここでは製造した核兵器に対しては言及しないということです。北朝鮮はすでに作った核兵器については‘米・朝間の核軍縮問題’と主張して来たのでここでは譲歩しないでしょう。
 対外戦略の二番目の課題は 6者会談です。韓国と米国、日本、中国、ロシアにとっては、 9・19、2・13 プロセスを経る最終目標が韓(朝鮮)半島非核化にあるのですが、北朝鮮にとっての 6者会談は韓米日中から経済支援を引き出し、中国との同盟関係を維持する動力でなのです。中国を議長国として後押しし、外交的恩恵は中国に与えて、経済的恩恵は自分たちが得るということなのですが、そうしたことから見ても北朝鮮は6者会談を破綻させないはずです。

金正日と ‘ギム・ジョンヒル’

朴斗鎮 私も金正日のあらゆる行動動機の背景には政権維持という根本的な目標があると思います。これが金日成時代と異なる点です。金日成時代にはたとえそれが妄想だとしても韓(朝鮮)半島を統一して英雄的な人物として名を残すという欲望があったのです。ところが金正日時代に入って、特にソ連を含めた東欧社会主義の国々が亡びた以後、北朝鮮の対南戦略も政権を守る方向に変化しました。北朝鮮の立場で一番安全なことは韓国までも自分の支配下におくことです。反対に南北の対立関係が持続する限り北朝鮮はいつも不安定です。韓国を自分の手の内に入れて韓(朝鮮)半島を掌握する時、それに加えて核兵器を持てば北朝鮮政権は安全圏に入るということです。
 そうした点で金日成時代には‘戦争もするぞ’という考えもあったのです。金日成が 1974年に中国へ行って‘(戦争すれば) 私たちが失うのは 38度線(休戦ライン)だけだ’と言う演説までしたではないですか?しかし中国はそれを阻止しました。その後北朝鮮が戦争を通じて韓国を掌握する機会はほとんどなくなったと言えます。
 それで登場したのが連邦制です。連邦制を通じて韓国人口の半分を掌握すれば、全体としては 2対 1になるから選挙をしても北朝鮮が勝つことができる、それがだめな場合でも −これは黄長Y(ファン・ジャンヨプ)先生も言っていましたが−100万人くらいの青年に拳銃を持たせて南側に送れば、後方を混乱させるだけでなく韓米軍事作戦をも撹乱させることができるという計算だったのです。軍隊を送れば侵略ですが、連邦制の下で人を送り込むことは侵略となりません。これが金正日時代に来て‘わが民族どうし’という欺瞞的スローガンで登場しました。とにかく私は政権維持目標と連邦制は、そうした点で一致すると思います。
 問題は去年の大統領選挙でこのような 10年間の対南戦略が遮断されたということです。 去年 10月4日共同声明を読んで見れば、連邦制に進むという内容が隠されています。もしも太陽政策が継続されていたら危険な状態に陥る軍事的措置などの内容も含められていました。
 6者会談に対して一言付け加えるならば、米国側首席代表であるクリストファー・ヒルが果して韓国と日本など関連国が願う方向で北核問題を解決するかは疑問があります。それで日本の一部ではヒル次官補をキム・ジョン‘ヒル’と呼んだりしています。

司会 どうしてそうでしょう?

朴斗鎮 金正日の方に有利な方法で交渉を導いて行くから…(笑い).
 この前、私たちがあるシンポジウムに参加したのですがジョージワシントン大のキム・ヨンジン教授が面白い話をしました。去る 2月に米国で外交問題公聴会が開かれたのですが、そこでヒル次官補は核申告が遅くなる理由についての質問を受ました。この質問に対するヒルの返答では北朝鮮のために核申告か遅くなっているという表現はなくて‘私たち(we)’という単語を使って答えたとのことです。北朝鮮ではなく ‘私たち’によって遅くなっているという式にですね。それで大変に批判を受けたといいます。国務省のホームページではweではなく「北朝鮮」と訂正されているといいます。また核申告内容に核兵器まで含まれているかという質問にもヒルは ‘それは北朝鮮と論議して見なければならない’と答えたと言います。そうしたことから今一部ではキム・ジョン‘ヒル’が危ない、だからヒルが 5月頃退任するというからその間には交渉が進まなければよいが、このように考える人が多くいます。

司会 今までお二人は現北朝鮮体制の行動原理、金正日総書記のすべての行動の根底には政権維持があると大きな枠組みでおっしゃいました。では 2008年の現状況は北朝鮮にとってよくなったのか、それとももっと悪くなったのかを検討して見ようと思います。食糧難や体制の緩みなど悪くなった状況もありますが、しかし朝・米交渉過程を見ると北朝鮮に有利だと思える側面もあるのですが。

金づるは韓国だけ?

孫光柱 その問題を分析する場合いくつかのポイントがあると思うのですが、私が関心を持つポイントは、やはり金正日の政権維持費用の調達問題であります。現金とエネルギー、食糧のすべてを包括した政権維持費用をよく見る必要があります。北朝鮮では 1年間の穀物確保量が 360万t 以下に落ちれば飢え死にする人が出てくる可能性があります。金日成が存命中に “私たちは一日に食糧が 1万t 程度必要だ”と言ったことがあります。1年なら 365万tです。それ以上なら餓死者は出ないでしょう。もし餓死者が出るとしたら分配に問題があるのです。それで対北食糧支援は‘どの位を与えるのか’より ‘どのように分配するのか’がずっと重要です。
 その次はドル現金の確保なのですが、まず金正日周辺に布陣した党と軍の 200人位の最側近グループを管理するのに費用が必要です。また労動党を動かさなければならないし、保衛部と保安省の人員を現水準で維持しなければなりません。もちろん最大の費用は軍隊維持の費用です。しかし北朝鮮軍の下級部隊はほとんど自給自足しています。
 北朝鮮最高人民会議の予算はおおよそ 20億ドルほどです。しかしこれは表面に現われた公開費用だけで、軍隊維持費用も最小限しか含まれていません。武器密売で稼いでいるお金が抜けていることは当然です。北朝鮮が公式予算以外で余分に儲けるお金では、これまで年間 5億ドル相当のミサイル販売と麻薬・偽装紙幤・偽造タバコなどの不法輸出がありました。その規模が全体輸出の 35~40%を占めると推算されます。
 ところが現在 PSI(大量破壊兵器拡散防止構想) などによってミサイル密売がままならず、2005年 9月のバンコ・デルタ・アジア問題などで不法な金づるがつまってしまいました。 米国はこの時凍結した 2400万ドル口座を 2007年に解除しましたが、北朝鮮の海外不法資金流通経路は把握していると思います。金正日としては現金確保がますます難しくなっているということです。それで金正日は現金確保のために韓国の人々がバスに乗って市内観光をする開城観光までやり始めたのです。

司会 南側から毎年 5億ドル位はもらわなければならないのにそれがスムーズでなくなったという話ですね?

孫光柱 金正日としては南側からそれ位の ‘デーンゲルト’を受け出すことが出来れば本当に幸せなのですが(笑い).過去 DJ(金大中) 時代に首脳会談の対価として受け取ったのが現金だけで4億5000万ドルだったじゃないですか。これは朝鮮民主主義人民共和国が建国して以来‘単一貿易’(?)で稼いだ最大のお金でしょう。一日二日でそのような巨額な外貨がいっぺんに振り込まれたケースはありません。
 ところがその後のブッシュ政権の対北政策で金づるが締めつけられたので急いで‘アリラン’公演まで外部に売りはじめたのです。‘米国をやっつけよう’といいながら米国人に ‘アリラン’公演を見に来てくださいと宣伝したのです。統治資金を作り出すために仕方なかったのです。金正日が核兵器を恐喝材料にして現金を確保するために米国を脅かせますか、中国を脅かせますか。日本はまた拉致者問題があるので植民地賠賞金の受け取りが何時になるか分かりません。結局は韓国が脅迫対象になるのですが、金正日のこのような考えをわが政府が正確に分かって対処しなければなりません。

朴斗鎮 日本では ‘拉致者帰還署名運動’にサインした人が 600万人にもなるといいます。それだからいかなる政治家も下手に動くことは出来ません。言い換えれば日本で拉致者問題は政治取引ができない問題になってしまったということです。

(つづく)

 
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