今年は、朝鮮戦争勃発60周年になる年です。共産主義者たちは韓半島(朝鮮半島)を南北に分断した時から、ただ単に分断を続けるのではなく、階級闘争論に基づいて北朝鮮を基地として韓国までも支配し統一することを目的としました。
わが民族が解放されたとき、南北に分割されるとは夢にも考えませんでした。当時信託統治を主張したのはソ連でした。ソ連が朝鮮半島以北の地域で信託統治を主張して、統一を妨げるための時間的余裕を持とうとした目的は、すぐに南北で選挙を行なえば、民主主義勢力である韓国が勝つと考えたからです。
分裂させて時間を稼ぎながら北朝鮮を基地にして韓国を食おうとしたのが共産主義者の計算でした。共産主義者たちの行動原則はまさにそれでした。
そのため、北朝鮮を占領したソ連が金日成を押し立てた後、すぐに着手したのが軍隊を作ることでした。最初から軍隊を組織し武器を作りました。機関銃も作られました。作れない武器はソ連が日本軍から武装解除して没収した武器が提供されました。そのために南北の武力差がかなり大きくなりました。
いつでも戦争できる体制を整え、韓国を吸収しようというのが共産主義者たちの確固たる方針です。共産主義者はみなそう考えています。
6・25当時、北朝鮮政権の南侵意欲に火をつけた事件がありました。それが1949年の中国共産党の大陸統一でした。それがきっかけとなって、軍隊を駐留させてはいませんでしたが、蒋介石政権を支持していた米国も中国から出て行きました。その隙を狙って、北朝鮮政権が南侵を開始したのです。
この時、ソ連のスターリンは米国との全面戦争を避けるために中国を前面に立たせました。ただソ連の飛行隊は、朝鮮半島とロシアの領土が接していたこともあり出撃して米国の空軍と戦いました。当時、空中戦ではソ連空軍の損害が多かったと聞いています。
このことから得られる一つの教訓は、一つ間違うと米国が韓国から撤退することもありうるということです。実際にカーター元米大統領が一度米軍撤退を主張したことがありました。
二度とこのような同族相食む悲劇が起こらないようにするためには、われわれ自身の力で侵略を防ぐ軍事力と精神力を持たなければなりません。特に精神的な準備をしなければなりません。精神力がなければ、軍隊がいくら多くても戦いになりません。
私が北朝鮮にいた頃だけをとってみても、北朝鮮は韓国軍の数を問題視していませんでした。いくらでも圧倒できると豪語していました。
したがって武器が問題ではなく、精神力が問題となるのです。今、韓国では子どもが軍隊にいくとなると、もしかして戦争が起こるのではないかと心配して涙を流す人たちがいると聞きますが、これでは北朝鮮軍を阻止することはできません。
韓半島では今冷戦は終わったのではなく、むしろ強まっています。6・25戦争当時よりもはるかに強まっています。中国という大国を同盟国として持っている北朝鮮が降伏するはずがありません。それなのに冷戦が終わったとして、安逸を貪っている人たちがいますが理解に苦しみます。
安逸を貪るばかりか、北朝鮮の独裁者を訪ねて行き莫大な外貨を与えて、もう戦争は起こらないと宣言し韓国国民を武装解除させました。これは話にもならない愚行です。
われわれは北朝鮮よりも経済を飛躍的に発展させ、米国との同盟関係を引き続き強化し、何人たりとも韓国に脅威を与えられないようにしなければなりません。
自由北朝鮮放送より